現状の例 |
関東地方では,国交省,東京都と6つの県や2つの政令指定都市などが,公共事業のボーリングデータをインターネットで無償公開しています。
例えば,神奈川県横浜市域では,国交省,神奈川県と横浜市が揃ってボーリングデータを無償で公開しています。
しかし,管理者によって,ボーリング柱状図の内容に以下のような違いが存在します。
1. オープンデータ
※国土交通省: オープンデータです。 すなわち,ボーリングデータは
(XML)形式の電子データで公開されており,再利用は極めて容易
です。 また,著作権が設定されていないので,加工や再頒布など,自由な二次利用が可能です。
※県と市: 視認用のボーリング柱状図)(PDF)だけで公開されているため,再利用するには,ユーザが手入力(電子化)する必要があります。 著作権が留保されているので,再頒布など自由な二次利用はできません。 |
2. 管理者によって,座標値の取扱い方が以下のように異なります。
※国土交通省: 位置座標が公開されているので,位置を地図上で確認できます。
※県と市: 位置座標が公開されていないため,位置精度に疑問が生じても,確認する術がありません。
3. 管理者によって,背景地図が以下のように異なります。
※国土交通省: 電子国土Webのため,地図情報は最も豊富です。
※神奈川県 : Google Maps
※横 浜 市 : 独自仕様
すなわち,それぞれが独自のWebサイトから相互無関係に公開しているため,一般市民が自宅周辺のボーリングデータを調べようと思っても,下図のように3箇所のWebサイトに対し,別々にアクセスする必要があるのです。
これでは,公的な震度予想結果に対するセカンドオピニオン(二次的な照査)を行おうと思っても,手間と費用が掛かりすぎて,とても無理な相談となってしまいます。 |
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左図右下は,3箇所からのボーリング位置座標を読み取って作成した「架空のボーリング位置図」で,公開サイトはどこにも存在しませんが,このような検索サイトがあれば大変便利です。
情報連携基盤の地盤情報における実証 では,このような仕組みを構築することができました。
各地図をクリックすると,それぞれの公開サイトが開きます。
お断り:
最も情報公開が進んでいる自治体の1つである横浜市を取り上げましたが,これは「国」,「県」と「市」の3行政がボーリング柱状図を公開している日本で限られた市のうちの1つだからです。
後は,高知市など高知県内の7市町です。 |
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GUPIの提案 |
GUPIは,以下のことを訴えます。
① 公共事業のボーリングデータ(XML)には 著作権を設定しない こと。
② 営利目的を含む二次利用を許諾すること。
③ ①と②について,利用許諾条件に明示すること。 |
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イメージをクリックすると,情報連携基盤の地盤情報における実証こうち地盤情報公開サイト」 にジャンプします。 |
GUPIは,「こうち地盤情報公開サイト」の開設・管理・運営に深く関わっています。
このサイトは,日本国政府の「電子行政オープンデータ戦略」を実現するために,総務省が構築した「情報流通連携基盤共通API」の仕様書に基づいて,後述する9の実証団体が提案・策定した「地盤情報・共通API」を利用して構築されています。
GUPIは,システムの基本設計,GISデータの収集・整備を行うと共に,委員会の管理の一翼を担いました。
現在は,システムの管理・運営に携わっています。 |
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① ボーリングデータ(柱状図)は,全て国土交通省の電子納品要領に準拠したデータ形式で電子化されています。→ DTD210 or DTD300
② ボーリングデータ(柱状図)の品質を担保するために,国交省と同様にボーリング作業に携わった技術者名を公開しています(一部を除く)。
③ ボーリングデータと土質試験結果一覧表データについては,国土交通省(KuniJiban)と同じく 二次利用が許諾 されています。
④ 公開されている地方公共団体は,高知市,香南市,南国市,土佐市,須崎市,中土佐町 及び 黒潮町 です。
上記の市町域の 高知県 と 国土交通省(四国地方整備局) の地盤情報も,同じ条件で公開されています。 |