神奈川県横浜市,大桟橋からの富士山(現在は某ホテルが建っていて,・・・)
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newsletter116[pdf]
【事務局報告】
平成30年北海道胆振東部地震独自収集資料とその解析結果(概要)
 標記地震の発生に際し,以下の資料をまとめました。参考にして頂ければ幸いです。

[1]厚真町及びその周辺部での土砂崩壊の空中写真
  この程,民間航空機に搭乗していて偶然撮影した空中写真を報告します。
  以下の各写真は,地質情報ポータルサイト[自然災害の記憶]にて,一般に公開しています。
   https://www.web-gis.jp/Shizensaigaita.html
  ご興味のある方は,是非アクセスしてみてください。

撮影場所:平取町上空
飛行高度:約13,000m
焦点距離:約90mm(35mm換算)
注記事項:窓ガラスのゆがみは未補正です。

記 事:道営厚幌ダムは完成し試験湛水中でしたが,被害の報告は無さそうです。

撮影場所:平取町上空
飛行高度:約13,000m
焦点距離:約90mm(35mm換算)
注記事項:窓ガラスのゆがみは未補正です。

記 事:「厚真町吉野」の場所が,土砂崩れにより17名が死亡した現場です。

記 事:上記写真の視野とほぼ同じ設定の産総研・シームレス地質図です(Kashmir3D)。

 注目すべきは,断層線が存在することと,土砂崩壊が発生している地域は,向かって左の断層線の右側にほぼ集中していることです(詳細未定)。

撮影場所:平取町上空
飛行高度:約13,000m
焦点距離:約90mm(35mm換算)
注記事項:窓ガラスのゆがみは未補正です。

記 事:「吉野集落」の後ろは台地になっており,崩壊はその南側斜面で発生したことがわかります。

撮影場所:平取町上空
飛行高度:約13,000m
焦点距離:約90mm(35mm換算)
注記事項:窓ガラスのゆがみは未補正です。

撮影場所:平取町上空
飛行高度:約13,000m
焦点距離:約90mm(35mm換算)
注記事項:窓ガラスのゆがみは未補正です。
[2]札幌市清田区里塚地区で発生した地盤変状について
 この程,大正8年に発行された2万5千分の1地形図,寒地土木研究所が公表した現地調査報告書と国土地理院による札幌市清田区の地形復元図(Geojson)を入手したので,それらをWeb-GISで重ね合わせ表示(オーバーレイ)を行ってみました。
 結果は,地質情報ポータルサイト[自然災害の記憶]にて,一般に公開しています。
  https://www.web-gis.jp/Shizensaigaita.html
 ご興味のある方は,是非アクセスしてみてください。

【参照した公開情報(画像・GISデータ)】
 ① 旧陸軍陸地測量部:2万5千分の1地形図「輪厚」,大正5年測図,発行日:大正8年2月28日
   https://mapps.gsi.go.jp/history.html#ll=37.3912834,140.3903225&z=5&target=t25000
 ② 寒地土木研究所:平成30年胆振東部地震による札幌市清田区里塚地区の被災調査について(速報版)
    http://jiban.ceri.go.jp/news/news180912_01.html
 ③ 国土地理院:札幌市清田区の地形復元図(Geojson)
    http://www.gsi.go.jp/BOUSAI/H30-hokkaidoiburi-east-earthquake-index.html
 ご興味のある方は,原本に直接アクセスしてください。。

背景図:地理院タイル(ベースマップ)
主題図1:地形復元図データ(GeoJSON)
主題図2:被災状況図(部分)

注 記:被災状況図(寒地土木研究所)から,各範囲のポリゴン座標を独自にディジタイズしたので,正確では無い可能性があります。
 目安としてご覧下さい。

背景図:2万5千分の1地形図「輪厚」,大正8年
主題図1:地形復元図データ(GeoJSON)
主題図2:被災状況図(部分)

注 記:被災状況図から,各範囲のポリゴン座標をディジタイズしました。また,背景図の2万5千分の1地形図は,印刷媒体をスキャナでディジタイズしました。 正確では無い可能性があります。
 目安としてご覧下さい。
 寒地土研が「道路の陥没・家屋の変状が発生した範囲」は,全て谷を埋めた場所であることが判明しました。
 盛土する際の工事上の問題か,埋土特性などに原因がありそうですが,これ以上は不明です。
 国土地理院が管理する戦前を含む古地図は,いずれも地図タイル(地理院タイル)化されていません。防災や国土強靱化などに資するために,速やかに地理院タイルを作成して逸版に公開して欲しいものと思います。
 なお,札幌地区の古地図は「今昔マップ on the web」で閲覧することができます。
   http://ktgis.net/kjmapw/
【事務局報告】
電子地図を使用して複数の座標値を自由に取得できる
ウエブサイトの開設について
[電子納品支援,二次利用支援システム]
 GUPIでは,地質情報ポータルサイト(https://www.web-gis.jp)の中に「電子納品支援,二次利用支援システム」として専用のウェブサイトを開設していますが,このほど,標記ウェブサイトを開発・公開しましたので,お知らせ致します。

【特長】
 ・電子地図上で,ポイント,ポリラインとポリゴンを構成する三次元座標を取得できます。
 ・三次元座標とは10進数の緯度,経度と標高で,いずれもCSVファイルで保存できます。
 ・参照用として,別の地図(イメージ,jpgなど)をオーバーレイできます。

【想定用途】
 ・ポイントデータ:ボーリング地点や地下水位の測点
 ・ポリラインデータ:地質断面線や弾性波測線など
 ・ポリゴンデータ:ゾーニングの範囲など。
  前掲した「札幌市清田区里塚地区で発生した地盤変状について」の各範囲は,本ウェブサイトを利用して座標値を取得しました。

【操作手順(概要)】
① 初期画面とオーバーレイ結果(見本)
 ・予め,オーバーレイ用の地図画像データ(jpg,png)を用意してください。
 ・準備に際しては,正方形あるいは長方形とし,上下方向を南北方向に合わせます。
 ・地図画像の南西端部と北東端部の緯度・経度値を可能な限り正確に読み取って下さい。
  電子納品支援,二次利用支援システムの「座標値読み取り処理」を利用すると便利です。
 ・[参照ボタン]をクリックして地図画像データを指定します。
 ・次いで,各座標値を所定枠に入力します。
  その後[表示ボタン]をクリックすると,背景用電子地図上に半透明の状態で表示されます。

サンプル画像をオーバーレイ表示した結果
② 読み取り方法(見本)
 ・[開始ボタン]を左クリックすると,読み取り用のマウスクリックが有効化されます。
 ・測線の開始点にマウスカーソルを移動し左クリックすると,画面に「赤い輪」のマークで測定点を表示し,画面左にデータを表形式で表示します。 緯度・経度値はGoogleMaps API V3により取得し,標高値は国土地理院の標高APIより取得します。
 ・掘削点や屈曲点など,複数の読み取り点で左クリックします。
 ・[終了ボタン]をクリックするとマウスクリックが無効化されます。
 ・[ラインボタン]をリックすると,下図(左)のようにやや太い線で全測定点を結んだポリラインを表示します。
 ・[ダウンロードリンク]を左クリックすると,下図(右)のように読み取りデータをCSVファイルとして保存できます。

(左)[ラインボ(左)[ラインボタン]クリック直後         (右)CSVファイルでデータを保存

 (線分や範囲と背景図は無関係)
ポイント用,ポリライン用とポリゴン用データの例
③ お断り
 ・CSVファイルのデータ形式は1種類のみです。
  ポイント用,ポリライン用あるいはポリゴン用として利用する場合は,ExcelなどでGISツールのデータ仕様に編集してください。
【公開ウェブサイト】
   URL : https://www.web-gis.jp/NouhinCheck/index.html
 備考: オーバーレイ用地図画像データを見本として用意してあり,見本地図の座標値(南西端,東北端)は予め操作画面に埋め込んであります。 予め地図画像データをダウンロードして一時保存し,練習用に利用してください。
【事務局報告】
「位置座標の読み取りと確認処理
(スマホ,タブレット)」の改良について
[電子納品支援,二次利用支援システム]
 GUPIでは,地質情報ポータルサイト(https://www.web-gis.jp/)の中に「電子納品支援,二次利用支援システム」として専用のウェブサイトを開設していますが,このほど,標記ウェブサイトを改良・公開しましたので,お知らせ致します。

【特長】
 ・地図を表示する画面を750dot×850dotに広げました。
 ・ドロワーメニューを導入して、可能な限り地図を広く表示するようにしました。
 ・オーバーレイマップの種類を「87種類」に増やしました。 以下は,主なコンテンツです。

 国土地理院:色別標高図,最新の空中写真写真(シームレス),国土画像情報(全四期),数値地図25000(土地条件),都市圏活断層図,
  治水地形分類図更新版,明治期の低湿地,北海道胆振東部地震・厚真川地区・正射画像など10種類,北九州豪雨東峰地区正射画像
  など5種類,熊本地震阿蘇地区正射画像など25種類
 国土数値情報:神奈川県提供土砂災害警戒区域図(急傾斜地)など13種類
 産業技術総合研究所:シームレス地質図(詳細版)
 農業・食品産業技術総合研究機構:関東平野迅速測図
 防災科学技術研究所:高知県内地すべり地形分布図など2種類
 ユビキタス実証事業:高知市内液状化危険度予測図(見本)など5種類
 地質情報整備活用機構:新潟地震災害図

 ・スマートフォンやタブレットのホーム画面に貼り付けるショートカットアイコンを作成しました。

GPS位置計則画面(部分)


☆GPS計則で取得可能な情報
 ・緯度・経度:10進数(GoogleMaps API)
 ・標 高:推定値(国土地理院 API)
 ・住 所:推定値(GoogleMaps API)

オーバーレイマップ画面(部分)


☆オーバーレイマップでの主な機能
 ・GPS計則が可能なので,現在場所を
  地図中心にマーカーで表示。
・GPS計則点のシームレス地質図の凡例を
  表示する(中心点も同様)。
【紹介】
「平成30年(2018年)北海道胆振東部地震[復興支援]
ボーリング柱状図 緊急公開サイト」について
 (一社)全国地質調査業協会連合会は,標記の地震発生に即応して「ボーリング情報」と「関連する地盤情報」を一般に公開するウエブサイトを開設しています。
 公開しているコンテンツ類(抜粋)を以下に列記します。
 ① ボーリング柱状図
  ・国 土 交 通 省   : 2,969本
  ・公共事業・団体等  :12,827本
  ・北海道地質調査業協会: 3,353本
  合 計        :19.149本
 ② 電子地図類
  ・国土地理院:札幌市清田区の地形復元図(地形分類図)
  ・産 総 研:活断層データベース(起震断層・活動セグメント)より軽舞活動セグメントなど4本。 5万分の1地質図幅「早来」。
  ・タイルマップ:国土地理院・胆振東部地震厚真川地区正射画像,国土地理院・斜面崩壊・堆積分布図,産総研・20万分の1
         シームレス地質図など19種類

主なコンテンツを以下に例示します。

 背景図:20万分の1シームレス地質図(詳細版)[産業技術総合研究所]
主題図:斜面崩壊・堆積分布図[国土地理院]
 アクセス先は以下の通りです。
  https://geonews.zenchiren.or.jp/2018Hokkaido/Hokkaido_BoringMap201809.html
 現地での利便性を高めるためのスマートフォン版も用意されています。
【編集後記】
 Newsletter No.116をお届けします。
 今年は,台風24号による南寄りの暴風のため,関東地方では広い範囲に塩害が広がっています。
 銀杏やケヤキは塩害に弱いらしく,葉が枯れて全て落葉してしまったり,南側だけ落葉した木が数多く発生しています。
 自宅近くの高圧線は,数日間鉄塔の碍子が異音を鳴らし続けていましたが,このところようやく止みました。
 今後,新たな災害が発生しないよう,祈るばかりです。