来間島「先島諸島火番盛」からの来間大橋と宮古島。 2004年7月。
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【お知らせ】
平成26年度総会 会長開会挨拶
GUPI 第4代会長 加藤 碵一
  ただいまご紹介いただきました4代会長の加藤でございます。本日はご多忙の折,特定非営利活動法人「地質情報整備活用機構」(以下,GUPI)の総会にご参集いただきましてまことにありがとうございます。開会に際しご挨拶を述べさせていただきます。
  さて,ご承知のように昨年GUPI10周年を記念して皆様のご協力の下,各種行事を企画・実施いたしました。すなわち 『GUPI 10年の歩み』,『新技術紹介「地質調査技術のフロンティア」』『日本の奇岩百景』,および『よくわかるGUPI地学用語解説集』であります。すでに出版済のもの及び進捗中のものもありますが,一層のご協力をお願いする次第です。さらに,今後の10年に向けての「行動宣言」を発表しており,これを生かして実現するべく新体制のもとで鋭意努力を重ねていく所存です。
  さて,私事で恐縮ですが,老後の趣味の1つとして地質学史に取り組んでおります。当然古文書的な文献・書物を読みあさるわけですが,その中でGUPIの役割の重要性を示唆する2・3の古文書を紹介いたします。

  今を去る約90年前,Daly,R.A.,1926の"Our Mobile Earth"が刊行されました。驚くべきことに早くも翌年に本間不二男訳(1927)『構造地質學講話』 として我が国で紹介されました。その一節に
  「「森を見て木を見ない」すなわち「法則をもって新たに観察されたる,またせらるべき事実を推理して当らざることある」,逆に「木を見て森を見ない」すなわち「地質学の理論の大要を知らずして観察せる事実に幻惑されるはさらに恥ずべきことであります。」と述べられています。野外での研究・調査に対しての自戒でもあり,また以下にも続く地質屋と土木・建築屋の間で往々にして生じる齟齬についての指摘でもあります。
  さらに,その四半世紀後,すなわち今を去る半世紀以上前に「応用地質調査事務所」から発行された『土木地質資料』(第1巻第1号)に,近藤達敏訳(1961)によるBckel,E.B (1950) "Presidental Address Delivered Before the Colorado Scientific Society" (Colorado Scientific Societyでの会長演説)が掲載されています。その一部を次に引用紹介します。
  「地質の事実をEngineerが理解し,最大限に利用するために,地質事実をEngineerにどのように提供するかというhuman problemである。これはそれ自身が問題であり,かつ解決されなければならない問題である。それは,データを提供する方法を通じて,可能なEngineer(ing) geologistの発見および訓練から,販売術の心理学に関する調査にまで変化する。この問題の本質は,実証による確信が必要であるといえば充分である。GeologistとEngineerは異なった考えを持ち,異なった仕事をする。Engineerは具体的な事実や形態で考え,原因から結果へ推論し,目で見て測定できるものに非常に依存している。Geologistは,通常結果から原因へ推論し,そしてGeologyが不正確な科学であることを余りにも意識しすぎている。もし,彼が十分熟練していて,賢明で事実を十分観察し,理解しているなら,地質条件やそれらの(engineering上の)意味を予測し,Engineerに伝えることができる筈である。彼が,このような予測を正確に続けて行うならば,彼は実証によって,彼自身とEngineerの間にどんなギャップが横たわっていようとも,そのギャップに橋がかかるであろう。」とあります。返す言葉もありません。
  さらに,さらにそれから四半世紀後,今を去る37年前刊行された陶山国男・羽田忍(1978)『現場技術者のためのやさしい地質学』(築地書館,130p.)でも「地質屋の話なんか現場の役に立たない」「地質の話は面白いが実際にはどうもね」「土木の人は地質に理解がない」など当時でも,日々現場で繰り返されるきらいがあることが指摘されていたほどである。
  さてさてさて,翻って現在ではいかがでしょうか。あえて述べませんが,いずれにしてもGUPIの果たすべき役割の重要性は自明でありましょう。

  なお,私は,任期を終えて会長を交代しますが引き続き理事として,GUPIの活動にささやかながら貢献を続けていく所存です。
  最後に,本総会開催にあたりご支援・ご協力いただいた方々に今一度深甚な謝意を表し,今後とも一層のご指導ご鞭撻をお願い申しあげて開会挨拶とさせていただきます。
【事務局報告】
平成27年度 第2回理事会 開催報告
 日 時 平成27年6月6日(土) 13:30~14:00
 場 所 (一社)全国地質調査業協会連合会 会議室
 出 席 加藤会長,中田副会長,神尾理事,古宇田理事,土屋理事,永野監事,柴草事務局長
 議題1. 総会の手順・分担                          確認
 議題2. 『GUPI地学用語解説集』のウェブ発刊              承認
 議題3. 「日本の奇岩百景」への新規応募(20奇岩)承認        承認
【事務局報告】
平成26年度(第11期)総会 開催報告
 下記のとおり平成26年度(第11期)総会が開催され,予定された全ての議案が承認・議決されました。
  これも会員各位のご協力の賜物と,執行部一同深く感謝申し上げます。
                                   -記-
 日 時 平成27年6月6日(土) 14:30~15:30
 場 所 (一社)全国地質調査業協会連合会 会議室
 議 事 第1号議案 平成26年度事業報告承認の件                   報告通り承認
 第2号議案 平成26年度決算及び監査報告並びに承認の件                報告通り承認
 第3号議案 平成27年度事業計画(案)承認の件                     原案通り承認
 第3号議案 平成27年度予算(案)承認の件                       原案通り承認
 第5号議案 役員改選の件                              原案通り議決
 その他 なし
  議案書(確定版)は,GUPIウェブページ上で公開致しております。
【事務局報告】
平成27年度 臨時理事会 開催報告
 日 時 平成27年6月6日(土) 15:45~16:00
 場 所 (一社)全国地質調査業協会連合会 会議室
 出 席 秋山理事,大島理事,加藤理事,古宇田理事,木暮理事,土屋理事,長瀬理事,中田理事,黛理事,永野監事
 議題1. 平成27年度,平成28年度会長,副会長選任について
         互選の結果,以下のとおり議決されました。
      会 長:大島 洋志(新任)
      副会長:中田 文雄(留任)
【事務局報告】
平成27年度 第3回理事会 開催報告
 日 時 平成27年7月29日(水) 15:00~17:00
 場 所 (一社)全国地質調査業協会連合会 会議室
 出 席 大島会長,中田副会長,秋山理事,加藤理事,古宇田理事,土屋理事,長瀬理事,黛理事,柴草事務局長,
      池田全地連事務局長(オブザーバー)
 議題1. 理事の職務分掌                                 議決
 議題2. 平成27年度「地質リスク・エンジニア(GRE)」養成講座について
       第1回開催報告                               承認
       第2回開催計画                               承認
 議題3. 「日本の奇岩百景」への新規応募(6奇岩)                      承認
 議題4. 『GUPI地学用語解説集』のホームページ掲載                    承認
 その他 NewsletterNo.102発行他                             承認
【事務局報告】
 「日本の奇岩百景」について
 下表は,今年度の上四半期に「日本の奇岩百景」の登録が認められた6つの奇岩です。
 これにより,7月末時点での登録数は合計 89奇岩となりました。。
No. 名  称 都道府県 所在地
84 人面岩 熊本県 上天草市
85 だご石 熊本県 上天草市
86 亀 石 高知県 土佐清水市
87 大竹小竹 高知県 土佐清水市
88 ひき岩群 和歌山県 田辺市
89 馬ロック 静岡県 西伊豆町


 詳細は、http://www.web-gis.jp/kigan100.html でご覧ください。
【お知らせ】
 平成27年度第2回 地質リスク・エンジニア(GRE)養成講座について
 本養成講座の第1回目を平成27年6月24日~26日に開催しましたが,応募受付開始直後約1週間で20名の定員に達するほどの盛況であったことから,担当の第2事業本部を中心とする関係者の協議の結果,急遽2回目養成講座を下記のように実施することになりました。
 なお,本案内は7月上旬のメールレターと同じ内容です。

 主  催: 特定非営利活動法人 地質情報整備活用機構(GUPI)
 協  力: 一般社団法人全国地質調査業協会連合会(JGCA)
 認定団体: 地質リスク学会
 開催日程: 平成27年9月30日~10月2日(3日間)
 募集期日: 平成27年7月17日~ 8月5日
 募集定員: 25名
 詳細情報: http://www.gupi.jp/GRE/GRE-2015-2.html 
【紹介】
全地連『日本ってどんな国-身近な石材 美しい石材-』
 同書より
 「石材とは,私たちの生活に利用されている加工した岩石のことです。私たちの住んでいる街の中には,様々な種類の石材が,いろいろな所で利用されています。ビルや駅,お寺や神社,公園や墓地,お城や住宅などで,また,身の回りの実用品や美術工芸品にも見つけることができます。
 今回は,このような風景の中や生活の中に溶けこんで,普段なにげなく見過ごしている石材にスポットを当ててみました。
 この小冊子がきっかけとなって,多くの皆みなさんが,自分たちが住んでいる地域の地質や日本列島の成り立ちに興味をもっていただければ,嬉うれしく思います。
 それでは,身近で美しい石材の世界へ,ご案内します。」


http://www.web-gis.jp/
【お知らせ】
全地連「技術フォーラム2015名古屋」予稿集公開ページ


 2015年9月17日(木)と18日(金)に名古屋市で開催される 『全地連「技術フォーラム2015」名古屋』 で発表される各発表の内容を公開すると共に,発表論文を閲覧・ダウンロードする目的の標記ページは,全地連の委託によりGUPIが開設しています。
  ・パソコン:http://www.web-gis.jp/e-Forum/2015/index.html
  ・タブレット・スマートフォン:右のQRコードをご利用ください。
【お知らせ】
GeoSurf-Navi アクセス先(URL)変更のお知らせ
 GUPIが管理している標記ウェブサイトは,借用しているクラウドサーバーの管理上の都合により,下記(右)のアクセス先(URL)に変更しました。
  http://www.geonews.jp/geosurf/ ⇒ http://www.web-gis.jp/geosurf/
 旧アクセス先にアクセスした場合は,自動的に新アクセス先にジャンプします。
【編集後記】

鹿児島県 鹿屋市 輝北町にて
残暑お見舞い申し上げます。 夏本番となりましたが,いかがお過ごしでしょうか。
台風も次々と到来しております,お体と共に身の回りのことについても十分ご留意くださいますようお祈り申し上げます。