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【GUPI会員へのお知らせ】
平成22年度地質情報整備・活用機構 総会
 6月5日土曜日、(財)日中友好会館地下1階会議室において地質情報整備・活用機構の平成22年度総会が開催されました。
 冒頭、松行会長より、会長就任後1年を経過し、皆様のご協力をえて、新しいGUPIの歩みを始めたとの挨拶がありました。

GUPI松行会長

(社)全地連瀬古会長
 続いて、来賓としてお招きした(独)産業技術総合研究所の佃栄吉氏、(社)全国地質調査業連合会会長の瀬古一郎氏からは、国際惑星地球年も無事終了し、ジオパークも次第に大きく発展しつつある今日、GUPIと協力しながら活動を行っていきたいとの力強いご挨拶をいただきました。
 以上の挨拶を受けて議事に入り、第1号議案の平成21年度事業報告および第2号議案の決算報告ならびに監査報告が承認されました。
 次いで、第3号議案の平成22年度の事業計画と第4号議案の予算案が審議され、満場一致で承認されました。
 第5号議案のNGOへの組織変更については検討を開始したいという報告があり、変更は名称のみであり、現行のNPOのまま移行していく方向性であることが説明され、満場一致で承認されました。
 総会終了後、日本ジオパークネットワーク会長の米田 徹糸魚川市長より「日本におけるジオパーク活動の今後の展開とGUPIの役割」の講演がありました。今後のGUPIの活動を考えるに際して大変示唆に富む講演内容でした。
 その後、中華レストラン「豫園」でなごやかな懇親会が開催されました。

日本ジオパークネットワーク米田会長

講演会会場
 なお,議案書と議事録はGUPIホームページ「会員専用ページ」に掲載されております。
【GUPIの活動記録】
 第27回 臨時理事会報告 
 6月5日土曜日午前全地連会議室にて、総会に先立ち、第27回臨時理事会が開催されました。冒頭、松行会長より本日の会議は、総会に向けて、議事確認と総会終了後緊急に処理しなければならない課題のために臨時に召集したと説明がありました。
 第2号議案(平成21年度決算報告案)は、議案どおり総会に付議することを確認しました。
 第3号議案(平成22年度事業計画案)関連では、総会承認後速やかに以下の処置を取ることに決しました。
  ・ジオパークに関する資格制度の構築と実施は、計画を練り直す。
 第4号議案(平成22年度予算案)関連では、総会承認後速やかに以下の処置を取ることに決しました。
  ・会費収入が減少する傾向にあるため、事務局体制を見直し、総務部の廃止と事務職員の減員及び一部外部機関への事務委託を取りやめる。
  ・公益事業費を増加すると共に、積極的にGUPIの活動を進めていく。
 第5号議案(NGOへ組織変更案)関連では、総会で定款を変更するのではなく、NGOへの組織変更について引き続き協議していくことを再確認しました。
 懸案事項もあるので、総会後早期に理事会を開くことに決しました。
【会員寄稿】
「講演:地質災害の学習フィールド(防災教育)としてのジオパーク」をきいて
中筋 章人
 5月26日~28日に長野市で砂防学会が、全国から600名以上の参加者を得て開催されました。 冒頭の特別講演では、糸魚川市フォッサマグナミュージアムの竹之内耕学芸員(糸魚川市教育委員会)が「地質災害の学習フィールド(防災教育)としてのジオパーク」と題されて、大変解りやすく講演され、全国から集まった多くの人々に大きな感銘を与えられました。
 竹之内氏の主な講演内容は以下のようですが、地質屋さんだけあって、随所に露頭写真を取り込みながらのパワーポイントによる地質説明は、わかりやすくて大変好評でした。すでに講演されているかも知れませんが、何かの機会に東京でも講演していただけたらと思いました。
1.ジオパークとは何か
 ジオパークはユネスコが支援する「大地の公園」であり,ジオパークの世界基準を満たしたところが世界ジオパークと呼ばれる。2009年8月に,洞爺湖有珠山(北海道),糸魚川(新潟県),島原半島(長崎県)が日本最初の世界ジオパークとなった。世界ジオパークは2004年に誕生し,現在21ヶ国66ヶ所が認定されている。世界ジオパークのメンバーから構成される世界ジオパークネットワーク(以下,GGN)がユネスコの支援を受けながら活動を行っている。
2.ジオパークとはどんな公園なのか
2.1世界遺産との違い
 ユネスコが支援する世界遺産は,世界的価値の遺産を保護し,次世代に継承していくことを目的としている。現在,900近い世界遺産が登録され,日本にも14ヶ所ある。近年,世界的価値の証明作業が難航し,世界遺産への登録が難しさを増してきた。また,世界遺産に登録されることによって多くの観光客が押し寄せ,保護されるべき遺産が逆に損傷を受ける例を聞く。
ジオパークでは,保護・教育・ジオツーリズムの三要素をバランスよく行い,地域振興を奨励しているのが大きな特徴である。
2.2ジオパークの仕組み
 世界の人々にジオ(地球や大地)にもっと興味を持ってほしい。それは,ジオが人類の生存に関わるもっとも基本的な事柄だからである。ジオの世界に入っていけるようにたくさんの扉を用意して,ジオに振り向いてくれるよう仕掛けをつくればよい。ジオパークは大地と人との関わりを学習するテーマパークである。GGNが定めた世界ジオパークになるための基準を整理して示す(略)。
3.糸魚川ジオパークの特徴
 糸魚川一静岡構造線が糸魚川を通っていて,西側の西南日本内帯と東側のフォッサマグナの地質の対照が明瞭である。地質年代は5億年以上あって地質の多様性が際立ち,大陸時代も含めて島弧の主要な形成過程が記録されている。テーマをもった24のジオサイトが準備されている。そして、ジオサイトの中にいくつかの見学地がある。
4.防災教育のためのジオサイト
 糸魚川は,多種多様な地質と複雑な地質構造,さらに第四紀以降の隆起運動によって,地質災害が多い。地すべり・崩落・土石流・火山災害などがあり,そのタイプも多様である。災害がテーマのジオサイトを以下に3例あげる。
4.1月不見の池ジオサイト
 泥岩の上に火山岩が乗っており(いずれも鮮新統),隆起運動によって巨大なクリープ型地すべりが生じた。滑落崖・移動地塊(長径1km以上)・巨礫集積地などの地すべり地形が明瞭である。すべり面を流下した地下水は巨礫集積地で湧水となり,いくつかの池を形成した。湧水により縄文集落が形成され,現在は飲料水や山葵栽培に利用されている。地すべり斜面は棚田に利用され,巨礫集積地は「八十八ケ所(88体の石仏めぐり)」として信仰の対象となっている。地すべりによる里山景観が保存されている。
4.2姫川渓谷ジオサイト(大糸線による)
 中・古生界からなる大隆起山地を刻んで流れる姫川は,大量の土砂が通過して深いV字谷を形成している。中・古生界は断層や節理が発達して脆弱である。姫川渓谷は,年間4~5mmの速度で隆起しているため(飯川,1991),崩壊や地すべり,土石流が多発し,河川の土砂生産量が極めて大きい。このため,大きな降水量があると,たちまち堆積した土砂を巻き込んで土石流が発生する。姫川渓谷では、様々なスケールの地すべり・崩壊があり,砂防堰堤がある。渓谷を縫うように走るJR大糸線(昭和初期に設計)は,トンネルと橋梁を巧みに駆使して危険な地域を避けている。当時の国鉄地質技師の考えがしのばれる。
4.3焼山ジオサイト
 フォッサマグナ最北端に位置する活火山焼山は,約3000年前に誕生した若い火山であり,ここ約1000年間は,約300~400年間隔で火砕流を噴出し,10年~20年間隔の水蒸気爆発を起こしている。焼山火山の噴出物は,早川谷に沿って流れ下っており,溶岩・火砕流堆積物・土石流堆積物が観察できる。また,国立公園内の焼山川・火打山川には砂防施設が設置されている。
5.ジオパークを防災教育のフィールドに
 糸魚川ジオパークは,古い変動帯と新しい変動帯の地質遺産をもっている。古い変動帯で地質現象や歴史を学び,新しい変動,すなわち自然災害を見ることで自然災害は長い歴史の中の一地質過程であることを知ることができる。ジオパークは,災害を切り口としてジオを伝え,防災教育のフィールドとして人々の地学リテラシーの向上に大きく貢献できると考えられる。
【会員寄稿】
 「緑あふれる香港」セミナーに参加して
矢島 道子
 6月21日月曜日11時から13時まで明治記念館で、東京にある香港経済貿易代表部主催の「緑あふれる香港」セミナーが行われました。事前に、香港ジオパークの楊家明氏より、香港ジオパークについて話をするので、聞きに来て欲しいとの連絡があり、参加しました。100名ほどが集まりました。 香港政府観光局が後援していたこともありましたので、JTBなどの旅行業者が多く参加していました。
 基調講演は、APEC参加のために来日された香港環境長官の邱騰華氏で、「香港はコンクリートジャングルではなく、緑あふれ、自然にあふれているので、そこも観光してほしい」と話されました。次に楊家明氏のジオパークの話が続きました。楊氏は香港ジオパークの創設にあたって、何度も日本のジオパークを訪れていました。GUPIにも3回ほど訪ねてこられました。その縁で、私は昨秋の香港ジオパーク開会式には招待されました。楊氏の話には日本のジオパークやGUPIの話もたくさん出ましたが、セミナー参加者には耳新しく聞こえたようです。日本のジオパークの宣伝をしてもらったともいえましょう。昨年11月の香港ジオパーク開会以来、すでに50万人の入場者があったそうです。
 楊家明氏の後には『香港アルプス』という著書を刊行された金子晴彦氏の講演もありました。金子氏は日本航空香港支社に長く勤務され、山岳部出身ということもあって、香港の自然になじんでこられました。このたび刊行された『香港アルプス』には香港ジオパークの紹介に多くのページが割かれています。
講演者の邱騰華氏も楊家明氏も金子晴彦氏も、香港ジオパークの開会式でお会いしていました。また、糸魚川ジオパークの関係者、産総研の渡辺真人氏も参加されていました。金子晴彦氏からは香港のジオパークにならって、日本のジオパークももっと元気に活動していきましょうと声をかけられました。
(以下左の)写真は http://www.info.gov.hk/gia/general/201006/21/P201006210166.htm より。
 
左から金子 晴彦氏と邱 騰華氏(写真提供:香港特別行政区政府)
【事務局報告】
 第3回宮澤賢治ジオツアー 実施報告
矢島道子(GUPI), 立澤富朗(ジオプランニング)
(1)はじめに
 6月26日(土)~27日(日)に第3回宮沢賢治ジオツアーを、岩手県奥州市~盛岡市周辺の賢治ゆかりの地を対象に実施しました。今回は地学史研究会の旅行もかねました。GUPIからは松行 康夫会長ご夫妻、直井 誠氏の参加がありました。案内者は前回に引き続き、産業技術総合研究所 地質調査総合センター代表加藤 碵一氏、施行者側からGUPIの矢島と(有)ジオプランニングの立澤を加えた総勢13名でした。
(2)旅程
 6月26日(土)
   11:30  ・東北新幹線水沢江刺駅 集合
         ・奥州市江刺区 種山高原 道の駅「ぽらん」で昼食後、同高原内の物見山周辺、立石周辺を散策
         ・奥州市水沢区 「奥州宇宙遊学館(旧緯度観測所)」見学
         ・盛岡市 繋温泉「愛真館」宿泊
         ・夕食後、「座談会」、加藤氏による「賢治の夕べ」
 6月27日(日)
    8:30  ・宿舎出発
         ・雫石市近くの玄武洞見学
         ・鞍掛山キャンプ場から見える岩手山散策
         ・岩手県立博物館見学
         ・「旧盛岡高等農林学校本館」(国の重要文化財)見学
         ・盛岡城址公園を見学しながら散策
    16:00  ・東北新幹線盛岡駅にて解散
(3)旅のスケッチ
東北新幹線水沢江刺駅に全員時間通り集合、小型マイクロバスに乗り込み、水沢から一路国道397号線を東方の北上山中、種山高原へ向かいました。種山高原の道の駅「ぽらん」で昼食を食べたあと、物見山頂上へ。梅雨の合い間でしたが、お天気に恵まれ、
360度の眺望を楽しめました。大正6年にはじめて種山高原を訪れた賢治は、高原一帯の風景と気象に魅せられて、以後何度も訪れて「風の又三郎」をはじめ、この高原を舞台にした数多くの作品を残しました。近くの広場にある風の又三郎のブロンズ像をカメラに収めたりして種山ヶ原を出発しました。
 賢治の詩碑がある種山ヶ原の中の「立石」地点へ向かいました。少しアップダウンがありましたので、きつかったのですが、なぜ賢治が好きなのか、よくわかりました。
 水沢の旧緯度観測所、現在の奥州宇宙遊学館は、市民に開放された科学博物館として再利用されています。Z項を発見者した木村栄博士の像と館内で宮澤賢治の展示場を見学しました。今回発行の日本学士院賞100周年記念の記念切手に木村栄博士に賞状が贈呈されている様子の切手があります。展示室「風」には、賢治と旧緯度観測所との関わりが展示・説明されていました。旧緯度観測所は、「風の又三郎」や「銀河鉄道の夜」といった賢治の作品が生まれるきっかけとなった場所と考えられているようです。時間が押していて、ゆっくり見学できなかったことが悔やまれます。
 26日の宿泊は、繋温泉の温泉宿「愛真館」。入浴、夕食後に座談会を開きました。案内役の加藤氏が資料を用意され、“賢治とジオ”のタイトルでGeologist賢治の文学の世界を映像でお話しされました。熱心に質問をする人などもいて、9時ごろに終了、就寝となりました。
 27日はまず、雫石市近くの玄武洞を見に行きました。大変見事な物でした。鞍掛山キャンプ場では、岩手山の眺望を楽しみ、平成16年に建立された賢治の碑の前で記念撮影をしました。
 岩手県立博物館では、大石雅之、吉田充学芸員の案内で、まず収蔵庫のほうを見学しました。地学史研究家であった故今井功氏の所蔵本が「今井文庫」として、博物館に収蔵されているからです。早速、資料にあたり、新しい事実の発見もありました。
 博物館での昼食の後、「旧盛岡高等農林学校本館」(国の重要文化財)の建物内部と賢治収集の岩石標本を見ました。
 最後は盛岡城址公園を見学しながら散策しました。賢治の石碑の他、石川啄木や新居戸部稲造の石碑もありました。
(4)ツアーのまとめ
 参加者へのアンケート結果によれば、梅雨時であるにもかかわらず、大変よい天候に恵まれ、物見山ではすばらしいものでした。旅行の評価は、全般、ガイド内容、旅行手配内容等すべてにかなりの満足をしていただけたようです。
 なかでも、加藤さんはじめ、現地で説明してくださった大石さん、吉田充さんに大変お世話になりました。厚くお礼申し上げます。 
【GUPI事務局からのおしらせ】
 (社)全国地質調査業協会連合会とGUPIが、共同で運営に当たっている地質情報ポータルサイトの「教材用資料」には、一般の方にもわかりやすく解説した「3種類の小冊子」が掲載されています。
 いずれも、全地連が2008年度から作成している「日本ってどんな国-ジオドクターからの便り」というシリーズものです。
  ・黄色本(2008):地 震
  ・青 本(2009):地下水
  ・赤 本(2010):火 山
 どなたでも自由に閲覧・複製・再配布できますので、学校現場や生涯教育現場などでの教材用としてご活用下さると幸いです。
   http://www.web-gis.jp/Education/edication.html

 なお、同ページには、日本列島の地形と地質環境についての解説書「豊かで安全な国土のマネジメントのために(発行:全地連)」も掲載しておりますので、併せてご活用下さい。
 この小冊子も再配布はフリーです。   
 

 「地質の相談窓口」ポータルサイト 開 設
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 内容は、『地質一般について』、『・地質調査業について』、『積算について』等に分かれており、それぞれの分野の専門スタッフが対応いたします。 
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