国際惑星地球年(IYPE)
 IUGS(国際地質科学連合)とUNESCOでは、2005年〜2007年を国際惑星地球年International Year of Planet Earthとすることを計画し、今年秋に開かれる国連総会で決議される運びになりました。 サブタイトルは「社会のための地球科学」です。
 人類と惑星地球の両者にとって調和のとれた持続可能な将来を創造するためのキープレイヤーとして、地球科学者が活躍する必要があることをアピールしようとするものです。 具体的なボードテーマとしては、地下水・災害・健康・気候・資源・巨大都市・深部地球・大洋・土壌の9つが挙げられており、従来のアカデミックな地質学が比較的等閑視してきたテーマに焦点が当てられています。
 わが国でもIUGS国内委員会である日本学術会議地質学研究連絡委員会が音頭を取ってIYPE対応国内実行委員会が結成され、その会長にわがGUPIの大矢会長が選出されました。 GUPI会員の多くは上記のテーマに深く関わっておられますので、バックアップしていただきたいと思います。詳しくはホームページ http://www.esfs.org/ をご覧ください。

GEOPARK
 北京で開かれた第30回IGC(国際地質学会議)以来、毎回のIGCでGeoparkあるいはGeotourismといったシンポジウムが開かれています。 UNESCOも賛同し、特別に科学的に重要で希少性に富み美しい地質学的遺産をGeoparkとして保全することを国際的なプロジェクトとして進めています。 なお地質学的価値だけでなく考古学的・生態学的・文化的価値も有するものとしています。 6月末にはUNESCOと中国国土資源部の共催で第1回国際Geopark会議が北京で開かれました。
 残念なことに日本からの参加者はおりませんでしたが、この会議の1週間後に北京で開かれた国際大陸地震会議に大矢会長が参加され、その機会に国際Geopark会議の主催機関の一つである中国地質科学院のZhao Xun前所長、Dong Shuwen副所長と今後の協力について懇談して来られました。中国では既に44の国立地質公園が認定され、さらに40の候補が追加されたそうです。 うち嵩山はじめ8ヶ所がUNESCOのWorld Geoparkに指定されています。 中国ではGeoparkを地質学の普及だけでなく、地域の経済活性化や雇用促進にも役立てるとの考えで進めているとのことです。
 一方、現在28あるわが国の国立公園は、地形・地質学的に興味深い景観の優れたところに設置されていますから、実質的にはGeoparkに当たると思います。 しかし、Geoparkとして活用されているか、国立公園を訪れる年間3億人を超える人たちに、自然に親しみ、地球科学的な理解を深めてもらう仕掛けができているか、というとお寒い限りです。
 そこで、9月に千葉大学で開かれる日本地質学会の折、「日本におけるGeopark」と題する夜間小集会を行うことにしました。  
 Geopark設立運動を進めたり、国立公園をGeoparkとして利活用したりするための方策を探ろうというものです。多数のご参加を希望します。
<参考> http://www.unesco.org/science/earthsciences/geoparks/geoparks.htm
        http://www.worldgeopark.org/

国立公園ウオッチング

 そろそろ夏休みです。ご家族で国立公園にお出かけになる方も多いかと思います。 Geoparkとして本当に利活用されているか、みんなで調査してみませんか。 自然観察路や自然遊歩道には案内板があちこちに設置されていますし、ビジターセンターには展示もあります。 それらの中には、地学的に大変よく出来た模範例もあるでしょうし、いささかどうかと思うものや、完全に間違っているものなど、いろいろあるかと思います。
 それらをデジカメで撮影して、コメントをつけて事務局 office@gupi.jp まで送ってください。
 また、公園事務所・案内所などに地質図とか地質に関するガイドマップ・ガイドブックなどの整備がされていないと思えるのですが、こんな資料があったとか、無かったとか調べていただいてご連絡いただければ幸いです。
 写真は霧島屋久国立公園えびの高原ビジターセンターの展示です。 霧島山の地下にはマグマ溜まりがべた一面にあるのだそうです。霧島はひょっこりひょうたん島のようにマグマの海に浮いているのでしょうか。
<参考>  
   http://www.env.go.jp/nature/park/pamph/
  
http://www.sizenken.biodic.go.jp/


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 先日、ご自分の活動したい分野やお得意の分野をお聞きしたアンケートをお送りしました。 今のところ回収率が30%程度です。 まだ回答されておられない方はなるべく早くご回答ください。 ご協力をお願いいたします。


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 GUPIのホームページ http://www.gupi.jp は随時更新しています。
 時々はのぞいてみてください。 リンク集も現在鋭意更新中です。 リンク切れや不足分野などありましたら、ご教示ください。

中國嵩山地質公園
 この写真は1ページでご紹介した『中國嵩山地質公園導游手冊』 (全64ページ)からとりました。
 全ページカラーの写真が豊富な大変立派な冊子ですが、内容はやや専門的すぎの感があります。
 ここ河南省登封市にある嵩山(すうざん)地質公園では始生代から新生代までの地層が分布し、先カンブリア時代の構造運動を示す3つの傾斜不整合が認められます。
Textbook of Geological History、Encyclopedia of Geomorphology、Natural Museum of Geology などと言われている有名なところだそうです。

<参考>
 http://www.rmhb.com.cn/chpic/htdocs/rmhb/japan/200405/9-1.htm
  http://www.worldgeopark.org/dz/member%20states/songshan.htm